森見登美彦「恋文の技術」
ゼミの後輩が面白いとツイートしていたので読んでみた本。作者の本は「四畳半神話大系」と「夜は短し歩けよ乙女」の有名どころしか押さえていなかったのでちょうどよかった(後者は映画になったらしいが、愛媛の田舎ではなんと公開期間が二週間しかなかった(笑))。
所謂書簡体小説で、手紙のやり取りから話の進展が分かる、というタイプのもの。京都から石川に行った大学院生が文通を様々な人と行うわけであるが、文章の回りくどさ、脱線の仕方が知識をひけらかす、文章力を見せつける感じで個人的には面白いと思う。
こういう本を読むと自分自身が物事に対して薄い感想しか持ちえないと感じる時がある。関心がそもそもないのか、はたまた薄情なのかは知らないが、とにかく「浅い」と感じることが多々(なにを持ってそうなのか言えない辺りがまたそうなのである……。)
やや浮世離れした感じは嫌いじゃないので、他の物も読んでみたい所。
※「高等遊民になりたい」という率直なセリフを高校生に吐かせているところがまたなんとも。